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見慣れない略語?
論文を読んでいると本文や参考文献に様々な略語が登場します。本記事ではそれらのうちメジャーなものについて解説します。
参考文献に現れる略語 “et al.”
et al.はラテン語の“et alii ”の略で、「その他の人々」の意味です。
論文の参考文献では著者の名前を記載しますが、同じ論文に複数の著者が参加しているとき、全員分の名前を記載すると紙面を圧迫したり、文章中で言及するときに冗長になってしまうことがあります。その際には最初の著者(first authorといいます)の名前だけ記載し、それ以降の著者をet al.で省略して記載します。
例えば次のような参考文献があるとします。
Lowry OH, Rosebrough NJ, Farr AL, and Randall RJ (1959) Protein measurement with the folin phenol reagent. J Biol Chem. 193:265-275.
最初のLowry OH, Rosebrough NJ, Farr AL, and Randall RJは四人の著者の名前ですが(ちなみにこの記法では最初に姓、そのあとに名(ミドルネーム)のイニシャルが書かれています)ジャーナルの規定によっては一定数以上著者がいるときはこれを省略して
Lowry OH, et al. (1959) Protein measurement with the folin phenol reagent. J Biol Chem. 193:265-275.
とします。また、本文中でこの論文に言及するときも
… (Lowry et al., 1959).と書いたりします。
本文中に現れる略語 “e.g.”
e.g. はラテン語で“exempli gratia”の略で「例えば」の意味です。いくつかの具体例を示すときに使います。
Air contains many substances (e.g., nitrogen, oxygen, and carbon dioxide).
本文中に現れる略語 “i.e.”
i.e. はラテン語で“id est”の略で「すなわち」の意味です。何かを言い換えるときに使います。
We tested this hypothesis for each age group (i.e., younger/older).
本文中に現れる略語 “cf.”
cf. がラテン語で“confer“の略で「比較・参照せよ」の意味です。何か追加の情報を見てほしい時、その場所を参照するのに使います。
その他の略語
以上に紹介したものよりは頻度は落ちますが、その他の略語についても紹介します。
SI | supporting information 補足資料(紙面に載せきれない補足の情報・結果を載せます) |
---|---|
ed. | 編集者/edition(版) |
etc. | など |
n./nn. | 注釈 |
p./pp. | ページ数を指し示すときに使う |
lhs/rhs | (数式の)左辺/右辺。left/right hand sideの略。 |
resp. | respectively |
s.t. | such that |
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