交通事故/危険シーンを直接的に理解する動画像解析技術

[紹介論文] H. Kataoka, T. Suzuki, S. Oikawa, Y. Matsui, Y. Satoh, "Drive Video Analysis for the Detection of Traffic Near-Miss Incidents", IEEE International Conference on Robotics and Automation (ICRA), May 2018.

[論文URL] https://arxiv.org/abs/1804.02555

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危険シーンのみを収集した交通ニアミスデータベース

交通安全システムの安全性向上のため,衝突事故に直結する危険シーン(ニアミス)の解析は極めて重要だが,先端的なデータ(e.g. KITTI, CityScapes)においても危険なシーンが含まれていないのが現状である.本稿では,交通安全システムのさらなる安全性向上のため大規模なニアミスDB(NIDB; 上図)を構築し,さらには同データにおいて危険度(低・高レベル)やニアミス要因(歩行者,自転車,自動車)を同時に判別可能な動画解析手法を新規に提案する.

実験では深層学習をベースとした手法のみならず,空間的な意味ラベル(歩行者領域,車両領域など)や人間が設計した特徴量との統合により精度が向上することを明らかにした.危険度(高/低)と危険要素(歩行者/自転車/自動車)を同時推定するタスクにおいて,提案手法では64%の認識率だが,人間(仕事として運転するわけではないドライバ)が全く同じタスクを行った場合には68%であり,同タスクにおいてAIは人間に近づいているという結果を得た.

本論文は、cvpaper.challenge ( http://hirokatsukataoka.net/project/cc/index_cvpaperchallenge.html )の取り組みによる業績です。cvpaper.challengeは、コンピュータビジョン分野の今を映し、日本の当分野を強くするための挑戦です。論文読破・まとめ・アイディア考案・議論・実装・論文執筆(・社会実装)に至るまで広く取り組み、あらゆる知識を共有しています。現在までにCVPR論文を完全読破するなど年間1,000本以上、累計では2,500本の論文をまとめ、資料を公開しています。最近では学生を中心に論文投稿してトップ国際会議のCVPR/ICRAなどにも採択されるまでになりました。2018年は(i) トップ国際会議/学術論文誌に20本以上投稿する、(ii) CVPR2018論文を完全読破する、を目標に活動しています。

cvpaper.challengeの担当著者:片岡(http://hirokatsukataoka.net/

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