ヒトの意思は簡単に操作できてしまう
[紹介論文] Ammon, K., Gandevia, S.C. Transcranial magnetic stimulation can influence the selection of motor programmes(1990) Journal of Neurology Neurosurgery and Psychiatry, 53 (8), pp. 705-707. Sohn, Y.H., Kaelin-Lang, A., Hallett, M.The effect of transcranial magnetic stimulation on movement selection(2003) Journal of Neurology Neurosurgery and Psychiatry, 74 (7), pp. 985-987. Brasil-Neto, J.P., Pascual-Leone, A., Valls-Sole, J., Cohen, L.G., Hallett, M. Focal transcranial magnetic stimulation and response bias in a forced-choice task(1992) Journal of Neurology, Neurosurgery and Psychiatry, 55 (10), pp. 964-966.
<前書き>
1990年K・アモンらの研究
脳にTMS(経頭蓋磁気刺激)という強い電磁刺激を与える装置を用いて、意識的な行動を変化させられるか実験を行った。
被験者の上腕筋を司る脳の領域を左右それぞれ特定し(これは難しくない)、左右で選択に違いが出るかを調べた。
<実験方法>
被験者は9名。1人当たり400回刺激を行う。脳刺激が行われて2~5秒の間に右手か左手の人差し指を伸ばしてもらう。
<結果>
左上腕筋を司る領域を刺激したとき、指を伸ばした回数は 左1029回:右771回だった。
右上腕筋を司る領域を刺激したとき、指を伸ばした回数は、左645回:1155回だった。
また被験者は、操作され偏りを見せていることに気が付いていなかった。
1992年の追試では200ms以内に筋電が観測された場合のみ、どちらを動かすか予想できた。
2003年の追試では明らかな再現性はなかった。
うーん…2003年は被験者も回数も少ないからどうなのとも思ったけど、実験方法は洗練されてるし。。。
僕は操れる可能性に期待してます。