反復動作中に一次運動野を刺激する

[紹介論文] Verstynen, T., Konkle, T., Ivry, R.B. Two types of TMS-induced movement variability after stimulation of the primary motor cortex (2006) Journal of Neurophysiology, 96 (3), pp. 1018-1029.

[論文URL] https://www.physiology.org/doi/10.1152/jn.01358.2005

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イントロダクション

反復運動は、運動の計画立てと実行機能の背後にあるメカニズムを調べるのに有用と証明されている。つまり、動かすタイミングを決めるシステムのせいか、実行するシステムのせいかを区別することが運動制御の研究では大事である(脳なのか筋・神経なのか的な)

先行研究では、これらを分離させる分析方法が提案されている。

運動皮質が損傷することは、実行システムの変動性を高めると考えられる。しかし一時運動野が運動計画と学習といったレベルの高い計算に関係している可能性もある。そこで、前運動皮質(M1)がタイミング決めのシステムと実行への影響を調べるために、反復動作中にTMSを用いてM1を短時間妨害してみた。

 

メソッド

著者含む右利き21名(男性13名)に、右手の人差し指でキーをタップしてもらう。最初はメトロノームに合わせてタップし10回を過ぎてからはメトロノームが消え32回タップする。この32回の中でランダムに打ち込む。M1への刺激はFDIのホットスポットを使用した。

なんやかんやシミュレーション(よくわかんなかった)

結果

参加者はメトロノームが消えても正確にタッピングはできていた。

メトロノームの速さ(間隔)が350ms(早い)でも550ms(遅い)でも関係なかった。

TMS群、コントロール群ともに間隔が大きい方が変動性が大きい。

M1への刺激は、筋肉の動きを妨害するのではなく遅延させるように働いた

 

ディスカッション

M1はタイミングを決めるシステムと、実行システムの中間にあるインターフェースである。

先行研究では運動皮質の活性化は運動の実行に厳密に関連していないことが分かっている。よって運動皮質の崩壊の代わりにTMSを用いた。

実行の遅延は運動野レベルの問題である。rTMSの抑制効果と本研究の発現機序が同じかもしれない。

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