週1回の音楽活動が、子どもの言語スキルを高める

[紹介論文] T. Linnavalli, V. Putkinen, J. Lipsanen, M. Huotilainen & M. Tervaniemi (2018), Music playschool enhances children’s linguistic skills. Scientific Reports, 8: 8767.

[論文URL] https://www.nature.com/articles/s41598-018-27126-5

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音楽の訓練が言語能力を高めることは、これまで多くの研究で示されてきました。しかし、先行研究の多くは、幼稚園等での週1回のカリキュラムでは実施できないような、時間がかかる訓練を介入に用いており、社会経済的地位に関わりなく全ての子供が利用できるものではありませんでした。

この研究では、社会経済的地位の低い子供にも利用できるような安価な介入プログラムに、このような効果があるのかを検討しました。4-5歳の子供を対象とした、幼稚園での週1回(45分)の音楽プレイスクールが、言語能力与える影響を調べました。このプレイスクールは、フィンランドの多くの親が子どもを預けている幼稚園で行われており、幅広い社会経済的地位の子供に利用されています。

データ収集は、ヘルシンキの26か所の幼稚園で行われ、2年間の訓練で、音素処理、語彙力、4回のテストが実施されました。参加した子どもたち(N=66)は、音楽プレイスクールへの参加(実験群)、ダンススクールへの参加(アクティブな統制群)、特に活動しない(パッシブな統制群)のいずれかに分けられ、その効果を比較しました。

その結果、音素処理(発音された音素の組み合わせを選択したり、提示された語からその音素を取り除いたりする課題)と語彙力(言葉の定義をする課題)に関して、音楽プレイスクールに参加した子どもに、有意な上昇が見られました。非言語的な課題(知覚的推論スキルと阻害制御のテスト)では、このような効果は見られませんでした。

この結果は、遊び心のあるグループ音楽活動でも、数年間参加していると、就学前の言語スキルにプラスの効果があることを示唆しています。

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