有酸素運動によって高齢者の言語能力が維持される可能性

[紹介論文] K. Segaert, S. J. E. Lucas, C. V. Burley, P. Segaert, A. E. Milner, M. Ryan & L. Wheeldon (2018) Higher physical fitness levels are associated with less language decline in healthy ageing. Scientific Reportsvolume 8, Article number: 6715 .

[論文URL] http://www.nature.com/articles/s41598-018-24972-1

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世界各国で高齢化が進む中、健康的に年を取ることの重要性が高まっています。この論文では、健康な高齢者における認知的変化、特に言語能力の変化に注目しました。

先行研究から、健康的に年を取るためには、社会関係と自立性の維持が重要であることがわかっていますが、これを達成するためには高い言語能力が必要です。高齢になると、話すときに単語が一時的に出てこない(”tip-of-the tongue”)などの一時的な認知障害が出てきます。

本論文では、高齢者の有酸素運動がこのような言語障害の発生率と関係しているかどうかを調べています。これまでの研究で、定期的な運動が認知領域(例えば、認知制御、学習、処理速度など)に良い影響を及ぼすことがわかっていますが、有酸素運動と言語機能との関係は調べられていませんでした。

<方法>
健康な高齢者を対象に、有酸素運動と単語発見能力との関係を調べました。単語発見能力は、言葉の定義を読んで単語を回答する”tip-of-the tongue”の課題で測定しました。有酸素運動は、自己報告ではなく、段階的な運動試験を行って酸素消費量を生理学的に測定するという、客観的な方法によって定量化しました。

<結果>
高齢者のほうが若者よりも”tip-of-the tongue”が多いこと、高齢者の有酸素運動レベルが、”tip-of-the tongue”などの言語障害の発生率と関連していることがわかりました。年齢や語彙力の影響以上に、高齢者の有酸素運動レベルが高いほど、”tip-of-the tongue”の発生率が低くなるという関連がありました。

健康な高齢者の有酸素運動と言語機能に関連があることが初めて示され、健康的に年を取るために身体的活動が重要であることが改めて示されました。

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