ドライバーをモニターせずにドライバーの意図を推定する

[紹介論文] Lidstrom, Kristoffer, and Tony Larsson. "Model-based estimation of driver intentions using particle filtering." Intelligent Transportation Systems, 2008. ITSC 2008. 11th International IEEE Conference on. IEEE, 2008.

[論文URL] https://ieeexplore.ieee.org/abstract/document/4732623/

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導入
自動車におけるプロアクティブな警告には、交通状況の将来予測が不可欠です。

本研究はSVMといった機械学習的手法ではなく、直進走行時の追従モデルと交差点でのファジー制御モデルという明示的なモデルの組み合わせにドライバーの行動を照らし合わせることで、T字路での右左折を含むルート選択の最尤推定に取り組んでいます。機械学習的手法ではドライバーの体の動きといった様々な変数を用いることが多いですが、ここでは車線長手方向の速度と位置だけを用いて、ルート選択の推定を試みています。

手法
まず、T字路のパス上での位置、速度、そしてT字路(グラフG)で通ると思われるリンクの番号列(パスp)を成分に持つ状態ベクトルを各車両に対して導入します。ドライバーはp上を追従・ファジー制御モデルに沿って動くものとします。

本仮定の下パーティクルフィルタを用いることで、T字路内での全車両の位置が実現される尤しいルート選択pを各車両に対して推定することができます。なお、推定が完了したかは、パーティクルフィルタの重みがある閾値αを超えたかで判断しています。

結果
T字路での各パスで直進もしくは右左折どちらかしか含まないルート選択の正解率は88%程度でした。一方、右左折どちらも含むようなパスは検知できませんでした。
これは、右左折のファジー制御モデルが同じものを使っているからだと思われます。

著者らは精度向上のため、車線横方向での場所やウィンカー情報を盛り込むことを提案していますが、ファジー制御モデルを右左折で違うものを用いることで、速度と車線長手方向の位置のみから精度の高い予測ができると考えます。

所感
明示的なモデルを基礎とすることで、少ない変数から意図の推定が可能になっています。行動の選択肢がある程度絞られた状況、かつその行動がモデル化できる場合には、センサーや計算資源を増やすことなく、リアルタイムに意図の推定が可能になることの例かと思います。

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